「レコードプレーヤーの話が必要だよね」季刊・アナログ編集部/浅田 #002  レコード再生の影の立役者、フォノイコライザーアンプの話

 レコードを聴くためには、当然のことながらレコードプレーヤーが必要になる。「そんな話、別にいまさら言われなくても分かってるよ」と言う声が聴こえてきそうだ。しかし、フォノイコライザーアンプと言われると、オーディオ好きの方はともかく、どれだけの人がピンと来るだろう。実はこのフォノイコライザーアンプがなければ、レコードを最適な音量で再生することはできない。

 フォノイコライザーアンプは、レコードプレーヤーとオーディオアンプを橋渡しする役割を担う機器。そもそもレコードは、プレーヤーに取り付けられたカートリッジが溝をピックアップして音楽を再生する仕組みとなっているが、この信号は非常に微弱なもの。この信号を増幅させてアンプへ送り込むのが、フォノイコライザーの役目となるのである。

 このフォノイコライザーアンプの機能は、比較的安価なプレーヤーやアンプに内蔵されていることもあり、アンプの場合は「Phono」という入力端子がそれに該当することが多い。しかし、本連載のテーマはあくまで「ちょっといい音で」というのがポイント。音質を考えると、できればこのフォノイコライザーは別の筐体で用意した方が有利なのだ。

 そこでまず、最初の一歩としてお薦めしたいのが、オーディオテクニカのAT-PEQ(¥7,000/税別)。比較的安価に入手できるMMタイプのカートリッジ専用のフォノイコライザーアンプで、手が届きやすい価格帯ながら金メッキのプラグ、高品質ICを採用した回路などしっかりとフォノイコライザーを導入するメリットや機能性を備えたモデルだ。

AT-PEQ

 ここでちょっとマニアックな話をすると、レコードにはイコライザーカーブ、カートリッジにはゲインやロードインピーダンスといったパラメータがあるのだが、これらを最適化することで音質的にも大きなメリットがある。特にカートリッジに関するパラメータは音質に大きく影響するのだが、こうしたマニアックなニーズに対応する機材はこれまで高級機がほとんどだった。しかし、昨年発売されたイギリスのブランド、iFI(アイファイ)オーディオのiPhono(¥OPEN・予想実売価格¥64,800前後/税別)は、この高度な使いこなしを、7万円を切る価格帯で実現した超ハイコストパフォーマンスモデルとして、昨今大きな注目を集めている。レコードを良い音で楽しむということはもちろん、レコード再生の面白さを味わうことができる意味でもお薦めのモデルだ。

iPhono

 以上、今回はフォノイコライザーアンプの必要性と、初心者でも購入しやすいモデルの話を進めてきた。次回は本文中に出てきた「MM」という言葉に関連するカートリッジの大まかな種類を解説したい。

季刊・アナログ編集部 浅田