「レコードプレーヤーの話が必要だよね」季刊・アナログ編集部/浅田 #004  レコード再生の影の立役者、ヘッドシェルの話

 アナログ・レコードを普段買っている人の中でも「ヘッドシェル」と聴いてピンと来る人はどのくらいいるだろうか? 実はシェル一体型のカートリッジやトーンアームを除けば、ヘッドシェルがなければカートリッジはレコードプレーヤーに取り付けることはできない。つまり、レコード再生になければならないもの、といってもいい存在だ。

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写真はカートリッジをヘッドシェルに取り付けたところ。赤く囲った部分が
ヘッドシェルとなる。例に挙げているのはヘッドシェル付きで販売されている
オーディオテクニカのMMカートリッジ「AT100E/G」(¥13,200/税別)

 ヘッドシェルとは、カートリッジとトーンアームの橋渡しをするアイテムだ。テクニクスの銘機SL-1200シリーズや、最近話題を呼んでいるティアックのレコードプレーヤーTN-350などは、このヘッドシェルを取り付けるユニバーサル型と呼ばれるアームを採用している。
カートリッジはこのヘッドシェルに取り付けられ、シェルリード線(カートリッジとヘッドシェルをつなぐための細く短いケーブル)で結線されることで初めてオーディオ機器としての役割を果たすのである。このことからも、ヘッドシェルがカートリッジを支える重要なアイテムであるということがお分かりいただけることだろう。

 ヘッドシェルを用いることによる最大のメリットは、付け替えが非常に容易なこと。
 カートリッジは小さいボディに、L+、R+、L-、R-とシェルリード線を4本取り付ける端子を装備している。本来であればカートリッジの交換の度に、4本のシェルリード線を交換するという細かい作業が要求されれるわけだが、シェルリード線を取り付けたままで保管できるヘッドシェルを用いることで、ユニバーサルアームの場合は聴きたい時に、聴きたいカートリッジへ簡単に交換することができるのだ。
 一般的に、ユニバーサルアームを搭載したレコードプレーヤーには、このヘッドシェルとシェルリード線は付属されている場合が多い。

 また、見た目のとおり、ヘッドシェルはカートリッジ本体に密着して使用されているもの。レコードの溝から振動を拾って増幅するメカニズムとなるレコード再生にとって、実は音質的にも非常に大きな意味を持つ存在でもある。
 振動抑制特性に優れたチタン素材やカーボン素材などを用いたヘッドシェルなど、そのバリエーションは多い。試しに交換していただけるとおそらく想像以上の音質変化を感じていただけるだろう。

なかでも比較的気軽に音の変化が楽しめるモデルとして、オーディオテクニカが発売している特殊加工アルミ「テクニハード材」を用いたAT-LHシリーズの「AT-LH15/OCC」(¥8,200/税別)や、アルミ削り出しを用いたオルトフォンの「LH-2000」(¥4,900/税別)、木製のボディを採用した山本音響工芸の「HS-3」(¥7,800/税別)などがある。

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AUDIO-TECHNICA「AT-LH15/OCC」(¥8,200/税別)

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ORTOFON「LH-2000」(¥4,900/税別)

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山本音響工芸「HS-3」(¥7,800/税別)

 もちろん、これ以外にも¥10,000超え、¥50,000近くするようなものもある。もちろん、値段に比例して精密な構造となっていたり、非常に貴重な素材を使っていたりと多種多様なアプローチがあるのもヘッドシェルの特徴だ。ヘッドシェルが付属したMMカートリッジもあるので、まずはそれを試してみるのも面白いだろう。

季刊・アナログ編集部 浅田