「レコードプレーヤーの話が必要だよね」季刊・アナログ編集部/浅田 #005  意外なほどに大切なレコードクリーニングの話

 タイトルに「レコードプレーヤー」とうたっておきながら、今回はレコードプレーヤーからちょっと離れるテーマとなる。「レコードクリーニング」だ。レコード再生とは、盤面に刻まれた溝からカートリッジが音楽信号をピックアップし、音へと変換する。この再生のメカニズムを考えれば、盤面が再生に与える影響の大きさは想像に難しくない。

 現在流通するレコードは、新品もあるとはいえ絶対的なタイトル数は中古の方が多い。
 自分が購入したレコードは、これまでどのような人の手で、どのような聴かれ方をして、どのように保管されてきたのか。このことを知るのは非常に難しいことだ。
 もちろん、レコードショップによってはレコードをしっかりとクリーニングした上で販売しているところもあるが、いずれにしてもまずは自分の手でしっかりクリーニングしてから針を落とした方がいいだろう。

 そもそも湿気によってカビが生えているレコードや、誇りまみれのレコードは、プレーヤーに取り付けられたカートリッジを傷めてしまうことがある。レコードクリーニングは盤面のコンディションを常に保つということ以外にも、再生機器を長く愛用するという面で大きな意味を持っているのだ。

 レコードクリーニングについては、色々な意見があるのも事実。例えば、水で洗うということ。この「水」ひとつをとっても「精製水が良い」や「水道水が良い」、「スポンジはNG」等色々な意見がある。本項ではあくまで初心者でも安心して使うことができるレコードクリーナーをピックアップしてみたい。

 ひとつは液体クリーニング液とクロスを使用して、手作業でクリーニングする方法。いくつかのメーカーからこうしたクリーニング液+クロスは販売されているが、入手しやすいのはレイカの「バランスウォッシャー33マスターセット」(¥4,968)だ。汚れ落としのA液と仕上げ用のB液からなるレコードクリーナーで、それぞれを付属する専用クロス「ビスコ」で拭きあげて乾かすといったもの。レコードにとって天敵ともいえる帯電防止剤などは含有していないなど、デリケートなアナログ盤に最適な特性を持つクリーナーだ。その信頼性の高さは、「定番中の定番」にまで挙げられていることからも分かるだろう。

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 こうしたクリーニング液を使用する場合、気をつけたいのはクリーニング後にしっかりと乾かすこと。巷にはベルドリーム「BD-LKD11」(¥5,000/税別)のようなレコード乾燥台という非常に便利なアイテムも販売されている。

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 もし、予算に余裕があるのであれば、レコードクリーニングマシンの活用もお薦めだ。
液体を塗布するだけで、あとはスイッチひとつで洗浄液をきれいに吸いとってくれるバキューム式が主流で、代表的なのはVPIの「HW-16.5」(¥128,000/税別)というもの。
 汚れをしっかりと書き出して吸引してくれることはもちろん、盤面が完全に乾燥するまでの時間を大幅に短縮できるのも大きな魅力だ。

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 最後に、レコードをクリーニングする場合は「やり過ぎない」ことも大切。過度なクリーニングは逆に盤面を傷めてしまうことがあるからだ。また、しっかりと乾かないうちから再生すると、カートリッジに重要なダメージを与えることもあるので注意したい。
 これらをしっかり守ってレコードをクリーニングすれば、レコードからはより良質な音が楽しめるだろう。

 次回は、クリーニングにちなんでレコードにまつわるのケアについてをテーマとしたい。

季刊・アナログ編集部 浅田