「レコードプレーヤーの話が必要だよね」季刊・アナログ編集部/浅田 #017

   レコードってスマホに入れられない?

 いまの音楽再生の主流を考えると、スマホで音楽を聴く人が圧倒的に多い。
 音楽ソースがデジタルであれば、ダウンロードファイルやCDをパソコンに取り込むリッピングなど、手持ちの機器で同じ音源を楽しむことは当たり前のようにできる。

 しかし、アナログ・レコードではできない。

 いま、大きな盛り上がりを見せているレコードとデジタル音源を比べた時、音質以外での決定的な違いを挙げるとすればこの部分だ。レコードは気軽に音源を共有することが難しいのだ。

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現代のミュージシャンのアナログ作品や最近の再発盤の一部では、ダウンロードコ―ドがついた音源も登場。写真はブルーノートの再発盤となるBACK TO BLUEシリーズのダウンロードコード入力画面

 しかし、昨今販売されている新譜レコードに関しては、CDがついていたりダウンロードコードが付いているケースが増えてきた。特にダウンロードコードについては早くから海外のミュージシャンの間で浸透した方法で、かつては「音が悪い」とされるmp3フォーマット中心だったものの、いまでは高音質とされるflacやAplleロスレスを選ぶことができるようになっている。つまり、現代のミュージシャンや明確な再発盤があるレコードに関しては、この「音源の共有」の問題はクリアしているといっても差し支えない。

 問題はそれ以外。例えば中古レコードで購入したり、欲しいレコードにダウンロードコードがついていない場合である。その場合は、自分でレコードをデータ化するしかない。

 この方法には大きく2通りあって、ひとつがハンディレコーダー等に用意されたライン入力端子から音をダビングすること。そしてもうひとつが、パソコンのDAWソフトウェアを使用して音源を作りだすことだ。最終的にメタデータ等を編集することを考えると、最終的にパソコンを使う方がやりやすいだろう。

 レコードプレーヤーを開発するメーカーでは早くから、このデジタルデータ化に対応したプレーヤーを発売してきた。国内メーカーだけでも、ソニーのPS-LX300USB(¥27,000/税別)や、デノンのDP-200USB(¥30,000/税別)、ティアックのTN-350(¥OPEN・予想実売価格¥52,000前後)など、そのラインアップは思った以上に多い。
昨今爆発的に売れているION AudioのArchive LP(¥OPEN・予想実売価格¥9,980前後)であれば、直接スマホに取り込むことも可能だ。

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最近では、単体フォノイコライザーの分野でも、パソコンにレコードのデータを取り込むための機能を盛り込んだモデルが登場。写真はADLのGT40α(¥46,000/税別)

 また、フォノイコライザーの分野でもこうしたパソコンへ音源を取り込むことを前提とした製品が登場している。ADLのGT40α(¥46,000/税別)はその代表核とも言える製品で、フォノイコライザーとしての基本スペックのほかに、パソコンへデジタルデータを伝送するためのA/Dコンバーターとしてもこだわって作られた背景を持つ。
これに、フリーソフトとなるAudacityや、有料ではあるもののトラックの切り分けやノイズリダクション、メタデータの編集など、レコードのデータ化を前提として開発されたVinylStudioなどを使えば音源のデータ化は想像以上に簡単にできるようになる。

 ただし、元がアナログである以上は、当たり前のことながら録音できるスピードは1:1。時間はかかるが、一曲一曲手間をかけながらデータ化することは音楽をじっくり聴く作業ということなので、音源から新しい発見をもたらしてくれることもある。
 もし外出先でもレコードの音源を楽しみたい、という人は、ぜひ挑戦してみて欲しい。

季刊・アナログ編集部 浅田