「懐かしレコードこの1枚」針谷順子 #001 アメリカン・トラディショナル・フォーク

大好きなレコードについて書きとめておこうと、連載はじめます。

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輝ける第1回というとやっぱり、生まれて初めて買ったレコードを語るんでしょうね。

ジャーン! それは、キングストン・トリオ(The Kingston Trio)の「花はどこへ行った(Where Have All The Flowers Gone)」なんです。ドーナツ盤でした。確か330円だったような。オリジナル盤ではなく、日本発売のものです。

B面は何だったかなー? 「トムドゥーリー(Tom Dooly)」? 「レモンツリー(Lemon Tree)」?どっちかだったと思うけど。そう思って今ネットで調べたら、ジャケが出てきてB面は、「アレイ・アレイ・オクスン・フリー」になってました。記憶と違うなぁ~。色やデザインは一緒なんだけど、どなたか真相を教えてください。

日本が高度経済成長に入った頃で、わが家にステレオがやってきたのです。当時は、モジュラー・ステレオで、アンプもチューナーもスピーカーも全部一体になってるやつ。父親は、演歌や歌謡曲のレコードを買ってきて聴いてました。でも、日本の曲って何だかカッコよくないんだ。

金持ちの家の先輩がいて、トロイ・ドナヒューなんかのスイート・ロリポップのレコードを見せびらかしてた。ビーチボーイズや帝王エルビスなんかも。お金ができたら、絶対レコードを買ってやる! と誓ったのでした。中学生になり、めでたく月1000円のお小遣いがもらえるようになって、晴れて最初の1枚を手に入れたというわけ。

ちょうどアメリカが、ベトナム戦争の泥沼に足を踏み入れた頃で、それまでの甘くポップな曲より、「伝統性と真実性」といわれたフォークソングブームがやってきていた。キングストン・トリオのほかにも、ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)、ブラザース・フォー(The Brothers Four)が3大バンドで人気を集めたものです。反戦歌の女王、ジョーン・バエズ(Joan Baez)もいたなー。

「花はどこへ行った」もそうだけど、彼らは皆反戦歌を歌った。この曲を書いたのは、“アメリカンフォークの父”とも言われる、ピート・シガー(Pete Seeger)だ。まるで、アメリカの古謡を採譜してきたような曲で、レコーディングしたときは、キングストンもそう思っていたようで、クレジットにピート・シガーの名はなかったという。その後彼の抗議によってクレジットが入ったと聞いた。
この曲は、日本で人気のあったアメリカのフォーク・シンガーのほとんどがカバーしている名曲だ。日本のアーティストも、忌野清志郎、ザ・リガニーズなどがカバーしたが、フーテナニー(フォーク・シンガーが集まって一緒に歌ったりするイベント)では、必ず全員で歌う曲でもある。

最近は、シンガー・ソングライターやトラディショナル・フォークを前面に出すお店が少なくなっているような気がする。
日本で一番人口の多い団塊の世代は、アメリカン・フォーク、それも反戦歌を聴いて育った世代だから、売れ線だと思うのだが、どうだろう?

針谷順子